ペット連れで避難できるのか - 初めて避難指示(緊急)を受けた時の話(4)

前回の投稿で避難しなかった理由のひとつに「飼っている猫を避難所に連れていけないんじゃないか」というのを挙げました。今回は避難とペットについて書いてみようと思います。

わが家の猫です。
ウチに来て11年と半年になります。12歳のメスです。
お世辞にも器量良しとは言えませんが、大切な家族です。年に1回動物病院で予防接種を受ける時にキャリーに入ってもらいますが、数分もすると鳴きっぱなしになります。ずっと室内飼いなのでイヤなんだろうと思います。

同行避難と同伴避難

大切な家族ですから当然一緒に避難したいわけですが、現実的には可能でしょうか。
実は環境省から「人とペットの災害対策ガイドライン」というのが出ています。
[PDF]
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3002/0-full.pdf
内容は、飼い主に対してだけでなく、自治体・地方獣医師会・民間団体・民間企業・国にまで及ぶもので、約140ページの大ボリュームです。
今回は、飼い主についての部分を主に考えてみます。

これによると、災害時に同行避難することが挙げられています。
発災時に、飼い主が自身の安全を確保した上で、災害の状況を見極め、より安全な避難場所を確保するために、ペットと共に避難行動(同行避難など)をとることがペットを守るための第一歩である。
- 総説III:「災害対応における基本的な視点」より抜粋引用

では同行避難ってなんでしょう?
このガイドラインには用語解説なんてのも付いてまして、
災害の発生時に、飼い主が飼養しているペットを同行し、指定緊急避難場所等まで避難すること。同行避難とは、ペットと共に移動を伴う避難行動をすることを指し、避難所等において飼い主がペットを同室で飼養管理することを意味するものではない。
- <用語の解説>より抜粋引用

これに対して、避難所でも一緒に生活することを同伴避難というんだそうです。
「同行避難」が、ペットとともに安全な場所まで避難する行為(避難行動)を示す言葉であるのに対して、「同伴避難」は、被災者が避難所でペットを飼養管理すること(状態)を指す。ただし、同伴避難についても、指定避難所などで飼い主がペットを同室で飼養管理することを意味するものではなく、ペットの飼養環境は避難所等によって異なることに留意が必要である。
- <用語の解説>より抜粋引用

漢字一文字違うだけですが、意味は全然変わってきますね。
災害時には避難所まで一緒に逃げなさい。でも避難所で一緒に暮らせるとは限りませんよ。
ということになるんじゃないかと思います。

同伴避難は現実的には厳しい

同伴避難ができるのが理想ではありますが、実際にはそう簡単にはいかないように思います。
現実的には、避難所内にペットを連れて入ることは難しいです。ほとんどの避難所では許可していませんし、ペットの体毛(猫アレルギーとか)や鳴き声や匂いが他の避難者の迷惑になる可能性は大いにあります。
避難所って、プライバシーとか殆ど無い空間ですからね。鳴き声や匂いは、自分が飼ってるペットだから気にならないんであって、突然の災害で避難を余儀なくされたらイラッとして「外に出してくれ!」という気になる人は多いでしょう。

避難所が、広い駐車場がある施設ならペットと一緒に車中泊するとか、学校の校庭なら片隅にキャンプ用のテントを張らせてもらって避難するとか、その辺りが精一杯ってところじゃないでしょうか。


普段からの備えも大事

避難所にペット用の救援物資が届くまでには、数日かかるようです。下手すると1週間以上とか。まず人間用の救援物資が優先されますから、ある意味仕方のないことです。
そこで、普段の主食のカリカリは避難時に持って出るとして、それ以外に猫缶の備蓄をすることにしました。これを非常時持ち出し袋に入れてます。おやつは…我慢してもらいましょう。

わたしの場合…

わたしにとってウチの猫は、家族であり、わたしが生きている理由でもあります。
今回、わたしは避難所に行かないことを選びました。
多分次は、避難所に車で行って猫と車中泊することを選ぶでしょう。車が拒否されたら家に戻ります。

あなたは、どうされますか?

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