わたしはなぜ避難しなかったか - 初めて避難指示(緊急)を受けた時の話(3)

初めて避難指示(緊急)を受けた時の話 の3回目。
今回は「なぜ避難所に行かなかったのか」の話です。



避難所に行かなかった理由

ウチは大丈夫かもしれない

2014年9月27日の木曽御嶽山の噴火の時にテレビで知ったんですが、日常と離れたあまりに大きな危険に直面した時、人間ってそれを無視して「自分は大丈夫」っていう心理が働くんだそうです。正常性バイアス とか 恒常性バイアス っていうらしいんですが。

Wikipedia より -
正常性バイアス(せいじょうせいバイアス、英: Normalcy bias)とは、認知バイアスの一種。社会心理学、災害心理学などで使用されている心理学用語で[1]、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性のこと。
自然災害や火事、事故、事件などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまい[2]、都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価するなどして、逃げ遅れの原因となる[3][2][4]。「正常化の偏見」[5]、「恒常性バイアス」とも言う。
多分ですが、わたしも正常性バイアスの影響を受けていたんだろうと思います。
ハザードマップを見ると、ウチは周囲を急傾斜地の特別警戒区域や警戒区域に囲まれています。でも、ウチはそれに指定されていないんですね。
それに加えて、2014年8月の豪雨災害の時ほど雨の振り方が強くなかった(短時間に猛烈に降らなかっただけで長期間降っていたので、この認識は誤りだと思いますが)ので、少し甘く見ていたような気もします。
このことが判断に影響したんだろうと思います。
正常性バイアスの話は2018年7月豪雨の時には知ってましたし、理解はしてるつもりでした。でも思っちゃうんですよね、「ウチは大丈夫かもしれない」って。

家族が帰宅していなかった

わたしは母親と飼い猫とで暮らしていますが、ありがたいことに母親は非常に元気で、普通ならとっくに仕事を止めている歳にも関わらず今でも元気に勤めに出ています。
その日もいつもと同じように広島市中区の勤め先に出勤していました。
夕方くらいから状況が悪くなったこともあり「最寄り駅についたら迎えに行く」という連絡をしましたが、この時にはもう避難指示が出ていた状況です。
わたしはこう考えました。
「わたしが飼い猫を連れて避難したら、母は誰もいない家に帰ることになる。1人で避難とかまず無理だろう」
帰宅した母に「避難するか?」と尋ねましたが「避難所には行かない」という返事が返ってきました。母が危険を十分認識していなかったとは思いませんが、やはり避難所で夜を明かすのはしんどいと考えていたそうです。
結果、わたしも残ることにしました。

避難所には猫を連れていけない?

もうひとつは、飼っている猫を避難所に連れていけないんじゃないか、という判断です。
これについては少し長くなりそうなので、別の記事にしたいと思います。


まとめ

避難するのが最善の策だというのを頭では分かっていても、実際にそういう状況になってみると素直に避難するのはなかなか難しいというのを、身をもって体験しました。
正直なところ「何をおいても避難しろ」なんてことはわたしには言えないのです。一人ひとり置かれている状況も違えば抱えているモノも違いますから。
これは…答えが出ないことなのかもしれないですね。

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